穏やかな佇まいの南北朝時代建立の神宮寺 富貴寺本堂

奈良県


富貴寺本堂(重要文化財)

種別 仏堂
所在地 奈良県磯城郡川西町保田33
構造形式 桁行5間 梁間4間 寄棟造 向拝1間 本瓦葺
建立年代 南北朝時代(1388)

六県神社の神宮寺として、貞観年間(859~877)に建立されたと伝わる。本堂内陣の延宝7年(1679)の墨書には、前身のお堂は治承2年(1178)に建てられ、至徳5年(1388)に再建されたと示されている。これが現在の建物であると考えられている。ご本尊は、釈迦如来坐像(平安時代、重要文化財)。

まず目に入ってくるのは奈良らしい寄棟造の瓦屋根であり、また複雑な組物を使わずに舟肘木で丸桁を受ける点などから和様を感じさせるたたずまいであるが、長押を用いない点、扉は桟唐戸とするなど禅宗様の特徴も併せ持つ。
向拝蟇股は、奈良近辺の中世建築にふさわしいオーソドックスな形をしている。水引虹梁も同様に、直線の袖切だけのシンプルな意匠であり中世らしい古典的な形である。中世仏堂としては縋破風の曲線が強くハリのある形である。
向拝は、全体的に材料が新しいため、近年修理されたものか復原されたものではないかと思われる。古い部材がどの程度残存していたのか、復原にあたって創作的な側面があったのか、などについて気になるので、修理工事報告書を探して調べてみたい。

外観
軒の反りは強め。丸桁は舟肘木で支持する。
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